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新しい茶の湯のためのスタディ
秋田県秋田市 秋田オーパ1階吹き抜け空間

 2020年の新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ソーシャルディスタンスの確保や三密の回避など、人と人が対面する状況において大きな制約が設けられるようになった。また、「不要不急」という言葉のもと、様々な文化活動が制限され、今なお再開の目処が立たない文化活動も多くある。日本の伝統文化の一つとして世界に広く知られる「茶の湯」もその例外ではない。茶の湯の稽古や茶会では、人が密集する状況が生まれやすい。特に、国宝『待庵』のような狭小空間で行われる茶会では、たとえ亭主と客の2人しか茶室の中に居なかったとしても、ソーシャルディスタンスの確保が難しく、感染症拡大防止の観点から見れば、思わしくない状況が生み出されてしまう。

 しかし、茶の湯の作法を読み解いてみると、客が亭主のために用意するお土産(御水屋見舞)は個包装のものが良い、亭主の許可があるまでは、客は茶室の外(待合)で待つ、茶室に入る前には必ず専用の鉢(蹲踞)の水で手と口を清めてから入室する、など、感染防止のためのマナーと共通する点が散見される。本企画では、茶の湯の作法と空間性を読み解きながら、コロナ禍において実践されるべき【新しい茶の湯】の形態を見出すための試みとして、茶室を公共空間に立ち上げ、実際に茶会をとり行う。【新しい茶の湯】の実践と、そのために制作した空間を多くの人に鑑賞してもらい、人と人が対面する活動を行う上での新たな気づきを得るためのスタディとなることを期待したい。

作品サイズ: W 4.5m / D 4.5m / H 2.4m 素材:杉

協賛:秋田プライウッド株式会社(材料提供)

制作協力:高橋琴美、三待あかり、渡邉泰地

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